【NTR系RPG】 瘴気と聖印 レビュー
今度こそうまくセックスをすると意気込みながらオナ禁して旅行に挑んだものの、事件に巻き込まれ、恋人関係の兄妹がそれぞれ異なる上司と行動することになり、お互いが上司と体を交わりながら事件解決を目指していく姿を描いたRPG作品が「瘴気と聖印」だ。
まだ初本番までいけていないカップルが、男性・女性ともども他の異性とのセックスに溺れていくような様子を楽しめる、カップルNTR的な印象の作品だ。1.5時間~2時間規模のRPG作品ではあるが、ほぼ敗北だけで進行できるため手軽に遊ぶことができる作品となっている。
騎士団慰安旅行中に事件発生! 怪奇のホテルで上司と体を重ねるカップル
土の精霊により強力な力を持つ騎士の少女・セティ。何も力がないが、観察力などが上司からも評価される義兄・ヨフ。二人は恋人関係であるが、過去に一度、無知の愛撫から満足にセックスできないまま性行為が失敗した経験を持っていた。
そんなある日、騎士団の功績が認められ、慰安旅行が企画される。その日にセックスをリベンジしようと約束を交わした二人。一週間オナ禁で慰安旅行に挑むも、突如旅行先の廃ホテルから魔物が出現。騎士団長ゴラルデンと副団長マリヴィナ、そしてセティとヨフの四人が廃病院に入るものの、魔物の特攻により入口は塞がれてしまう。
土精の力を借り、原因となる箇所が複数あることを知った四人。出口を探しつつ、問題解決に挑もうとするが、古びた施設故に穴が空き、妹のセティと騎士団長ゴラルデンが地下へと落ちてしまう。
地下に落ちた二人は脱出しながら原因を取り除き、地上に残った二人は地下への入口探しをきっかけに出口を探すことにするが、地下は瘴気が満ちており、妹のセティは命の危機にあってしまう。しかし、騎士団長ゴラルデンには体液を使うことで瘴気の影響を抑える力も持っていたのだった。
偶然おきた事件でカップルがそれぞれ性を貪る
寝取られ作品は色々なタイプがあるが、今作は完全に「たまたま起きた事件で、愛する人以外と性を貪る」というような要素になっている。妹は騎士団長、兄は副団長とそれぞれ別の異性と性を交わっていくが、なにか悪意のもとで仕掛けているというわけではない。
もともと騎士団長は妹のことを狙っており、副団長も兄のことを意識していた。だが、意識しているだけで、最初からグイグイ責めるようなことはない。しっかりと団長クラスの配慮をしながら大胆になっていくような様子を描いており、まさに偶然おきた事件ゆえの緊張感があるからこそというような点で関係が深まっていく様子が楽しめる。まずこの点は珍しい要素だろう。
妹は健康状態からのキメセクよりな心地よさ、兄は奉仕からのイライラ責めで堕ちる
さらに、エッチシーンの方向性も異なる。
妹は瘴気に犯され、次第に体調が悪くなる中、団長の体液によって症状が抑えられるという効果を得る。妹の強気な性格により、負けたくないという一心もあって体液に頼るような展開もあり、兄に申し訳無さを感じつつも受け入れていく。そしてその健康化される行為が次第にスッキリさにもつながっていくゆえに快楽的なところにも結びついているような印象があり、キメセクのような快感を描いているのも特徴的だ。
一方で、兄はどちらかというと副団長の天然よりなエッチから始まり、ラッキースケベのようなもので奉仕されるような展開から始まっていく。間女である副団長は回復魔法の得意な女性ゆえに、回復魔法を使った勃起のようなものを多く交えながら、奉仕や勃起を対処していく。その行為と魅力的な体つきに、兄はオナ禁していた影響もあり、我慢ができずに体を重ね、次第にイライラをもぶつけるように愛する妹ではない年上の女と体を重ねる。
違った方向性ではあるものの、王道的な力づくで奪うようなものや、悪意ある誘惑で始終ゴリ押していくというわけでない点が他の作品とは違った魅力に見えるだろう。また、瘴気の不良を体液で回復できる団長の能力・ナース服の副団長という少し異質な設定もファンタジーな世界観にうまく理由をつけている。少し流されやすいカップルには見えるが、緊急事態感も冒頭で丁寧に描いているため、そこまで不自然感はない。
まさにこの作品ならではの雰囲気がしっかりと出ている点は好印象だ。エッチシーンも小さいイラストや一枚絵のイラストを活用して様々なシーンを作り出している。良いテーマや世界観でまとめており、コンパクトながらも個性がしっかりと出ている印象だ。ファンタジーの世界観もしっかりと練っている印象であり、コンパクトながら丁寧に行き届いている作品に思える。
ゲーム性は粗めで進めるかどうかで評価が変わる
さて、NTR視点は概ね好感を抱くが、ゲーム面についても振れておきたい。
今作は戦闘こそあるが、基本的におまけクラス。ヒロインと団長が行動中にのみ戦闘が発生し、シンボルに話しかけることでレベル上げが可能。ところどころにボス戦があり、ボス戦で敗北するとヒロインが団長と交わることになり、淫乱度が上昇。この他にもマップ内探索でヒロイン行動中にエッチイベントを見るとヒロインの淫乱度があがり、兄が行動中にエッチなイベントを見てしまうと忍耐度が減少する。
そして、マルチエンドも採用しており、初回の戦闘に勝利できれば純愛エンド。それ以外は寝取られ寄りのエンドとなっており、最終的な忍耐度や淫乱度によって最終選択肢で3種類のエンディングを選べる仕様だ。
ゆえに戦闘や行動が重要ではあるものの、基本は一緒に戦闘に参加し、オート行動の団長が強いので負けることはない。さらに、簡単な純愛エンド以外は逆に負けたり誘惑にのるような行動を取らないと、シーンが回収できない仕様となっている。
ゲームシステムとしてはスキルポイントなどもあるが、基本は粗くプレイしたほうが利点が多いという構成になっている。遊ぼうと思えば多少エッチシーンを回避しながら進むこともできるが、それによって幸せな展開を迎えられるようなところはなく、逆にシーンが限られてしまうという問題も発生してしまうのだ。
ゲームとしても遊べるシステムをという努力が伝わってくるのだが、ゲームとしては悪い方向に出てしまっている。回想開放やセーブデータ共有の回想などもなく、フォローが少ないのはややもったいなさに感じた。とはいえ、真面目に全部勝とうとせず、どんどん積極的にみだらな方向で進んでいけば問題がないため、ゆるく遊ぶかどうかでゲーム面の評価は下がってしまう印象だ。
とはいえ、雑魚戦等は意図的に発生させなければ戦闘になることはなく、謎解きや煩雑なマップもない。遊びにくい訳ではないので、その点は安心できる作品だろう。
ファンタジー世界感な少し変わったカップルNTR&カップル堕ちが楽しめるRPG
8.5点
緊急事態をきっかけに、愛し合う兄妹がそれぞれの上司と密な関係になっていく展開を楽しめる良作のNTR系RPG。どちらかと言うとライトに遊べるような雰囲気にしつつも、設定としてしっかりとしている点はしっかりとしており、サクッと楽しめる規模にうまく落とし込んでいる印象だ。
特に団長・副団長という設定故に、最初はしっかりと問題解決をしようと動いている姿もよく、目的を解決しようとしつつも好みの相手と1対1で行動できるこの事件をうまく利用しているという点が、ある意味上司的で頭も良いような感覚もある。現代系のシチェーションで言えば「相部屋NTR」とかに近い感じだろうか。問題解決しながら、二人だけの空間をいいように活用され、主人公とヒロインが性に翻弄されていくような様子を楽しめる。
何周も遊ぶような作品や何十時間も長く遊ぶような作品ではないが、世界観を拡げすぎず、エッチシーンは比較的色々と詰め込んでいる印象もあり、よくコンパクトにまとまっている作品と言えるだろう。以上、よく短くまとめた作品のバランス、個性さ、シーンのクオリティなどを全体的に見て、良作の中でも高い位置付け評価としている8.5点という評価付にした。
ゆるい感じのカップルNTRや異世界的な世界観で男女が陥落するようなシチュエーションが好きな方にオススメだろう。